最近、とにかく人材不足で困っているので外国人の雇用を本格的に行っていきたいというご相談がとても多いです。
求人広告を出しても応募自体がなく広告費ばかりがかかって困っている、と仰る企業様も多いように思います。
今後求人のターゲットを外国人にして労働力不足を解消したいので、就労ビザが取れる職務内容かを相談したい、というお問い合わせをよくいただきます。
そこで、今回は「外国人雇用で人材不足の解消」というテーマで記載していきたいと思います。
1 就労ビザの取得が難しい職種
就労ビザといっても種類はたくさんあるのですが、その説明は今回は割愛して職務内容に焦点を当てて説明していきたいと思います。
就労ビザの取得の上で一つの指標となるのが、単純労働に当たるか否かです。
つまり、専門的、技術的知識を要する職務か否かです。
例えば以下のような業務は通常単純労働とみなされ、就労ビザの取得は困難です。
・スーパーのレジ
・品出し・陳列
・工場の生産ライン
・レストラン等のウェイトレス
・ショップの販売店員
・建設現場の現場作業員
・警備員
・トラック等のドライバー
・調理補助者
以上はわかりやすいものを列挙しましたが、実際の職務内容によって単純労働か否か判断が難しい職種もあります。
2 単純労働が可能な外国人
では、上記に列挙したような、いわゆる単純労働とみなされる職種で外国人を雇用したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
以下のようなビザ(在留資格)を持つものを雇用すると単純労働にも従事することができます。
①いわゆる身分系のビザを持つ者
②留学生、家族滞在のビザをもち資格外活動許可を得ている者
③難民申請中で働くことができる者
①身分系のビザを持つ者
身分系のビザを持つ者とは、ⅰ)日本人の配偶者等、ⅱ)永住者、ⅲ)永住者の配偶者等、ⅳ)定住者、を指します。
これらの者は就労に関して制限がないので、どのような職種でも働くことができます。
それぞれのビザの説明は以前の投稿を御覧ください。
②留学生、家族滞在のビザをもち資格外活動許可を得ている者
留学や家族滞在のビザを持つ者は、資格外活動許可というものを得れば、週に28時間まで就労が可能です。
また、留学生の場合には学校の夏休みなどの長期休暇中は週40時間まで就労が可能です。
家族滞在の場合は1年を通して週28時間以内です。
これらのビザを持つ者は、風俗営業などを除いて、単純労働にも従事することができます。
③難民申請中で働くことができる者
難民申請中の外国人に関しても、就労が認められていれば単純労働に従事できる者もいます。
ただ、日本での難民申請の許可率は低く、認められない場合は帰国することになります。
そこで、いつまで雇用できるかの予測がしづらいことに留意して雇用する必要があります。
3 職務内容の立証
就労ビザの申請を行う場合、職務内等に関しては文書で立証していく必要があります(書面審査主義)。
そこで、単純労働と判断されるか否かが難しい職種に関しては、それなりの知識や技術を必要とする職務であることを合理的に立証していく必要があります。
この立証が不十分であるために本来ビザが取れるはずの職種が短銃労働と評価され不許可になる、ということもめずらしくありません。
4 外国人雇用で人材不足の解消
外国人の雇用というと、雇用する企業側にとって日本人を採用する場合よりも最初はハードルが高いかもしれません。
入管での手続きや外国人雇用に伴う届出も必要になってきますし、実際に雇用しても職務との相性なども気がかりだと思います。
ただ、「外国人の雇用で労働力不足が解消し非常に助かっている」「職務との相性もよく本当によく働いてくれる」などのお声もよく聴きます。
今回の記事がこれからの人材不足の解消に向けて外国人の雇用を検討されるきっかけになりましたら幸いです。